もっと活用を! 弁理士会大分事務所
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日本弁理士会が設置した大分事務所(大分市東春日町)が開業から4カ月たった。県内企業の知的財産活用の推進を目指す県の要請で開設したが、これまで約30件の電話相談があり、同会は「順調な滑り出し」としている。ただ、地場中小企業からの相談は想定より少なく、今後は企業訪問などPR活動を強化していく方針だ。
開設は今年1月末。福岡県内に事務所を構える弁理士4人が交代で勤務する。
これまで受けた相談内容は特許、商標の出願や不正競争防止法違反の訴えなどが中心。13件の相談を正式に受け付けて対応した。
弁理士会が昨年青森県に開設した事務所はこれまでの相談受け付けがゼロで、大分事務所は「手応えがある」としている。ただ、3年後には弁理士会から家賃などの経費補助がなくなる予定で、事務所単体で採算ラインに乗るにはまだ厳しい状況という。
担当者の一人の松尾憲一郎弁理士は「産業基盤のしっかりした大分の潜在的な技術力や開発力を考えると開拓の余地はある。技術やブランドが法的に保護されるメリットを周知して新規の掘り起こしに力を入れたい」としている。
今後、県と連携して無料のセミナーを開くほか、企業訪問を通して知財活用の利点や弁理士の活動を広くPRする。問い合わせは大分事務所(TEL097・547・9900)。
<ポイント>弁理士と日本弁理士会設大分事務所
弁理士は特許や商標など知的財産の法律手続きを代行する国家資格の専門職。県は昨年まで活動中の弁理士が1人しかいない「弁理士過疎地」。特許出願数も2008年に146件(全国46位)、商標登録出願数も255件(全国40位)と全国下位だった。会設事務所の設置は青森県に次いで2番目。
=2011/06/15 付 大分合同新聞朝刊=